2度目のマレーシア国内転職手続きが思ったより地獄だった件【前編】

こんにちは!
こちらの記事でも書いたように、無事に会社から指定された期日までに転職先を決め、マレーシアに居ながらにして転職先の発行してくれるビザに移行できるようになった私。
これでもうオーバーステイ対策で退職後1度マレーシアを出国したり(就労ビザが切れた状態でマレーシアに居続けるのは違法なので、1度出入国して観光ビザに切り替えるため)、日本で2ヶ月近く就労パスの承認が降りるのを待ったりしなくて良くなりました。
いやー、スムーズに転職できて良かった良かった☆
そう思っていた時期が私にもありました。
実際は退職から新しいビザをゲットするまで死ぬほど面倒なことになったので記録しておきたいと思います。
マジでマジで、ここ2~3週間は悩みすぎてハゲそうな勢いでした…。
本来こうなるはずだった私のビザ移行
私が実際にこちらの平穏な道を歩めたわけではないので定かではないのですが、スムーズにいけば以下のような手順になっていたのではないかと思います。
- 元職場のHRがMDEC(マレーシアのビザを司る機関)で手続きをし、元職場の就労ビザをキャンセル→パスポートにビザキャンセルのシールが貼られて戻ってくる
- 転職先が私のビザの申請をしてくれる。そうすることで私は「新規ビザ申請中」の身分になり、元の職場のビザが切れても不法滞在にはならない。
更に、それを証明するための「スペシャルパス」という滞在許可ももらえる。 - パスポートを回収次第タックスクリアランスの手続きをし、タックスクリアランスレターを転職先に提出。
- 新規ビザ手続きが完了次第転職先での就労スタート。
なお、元職場が私に発行してくれていた就労ビザの期限は11月15日でした。
また11月22日からは台湾への旅行を予定しているので就労開始はそれ以降にしてほしい旨も最初の段階で共有済みでした。
実際の地獄
実際は、私の怠惰やわがまま、登場人物全員言ってることが違うことによって生じるパニックなどで状況はまさに修羅場と化していました。
順を追って書いていきます。
11月5日 転職先から手続きに必要な各種書類が届く
転職先からざっくり以下のような書類や提出物のリストが届きました。
- オファーレター(雇用条件とかが書いてある紙。)
- 外国人労働者用の契約書
- 健康に関する申請書
- 犯罪履歴に関する申請書
- バックグラウンドチェックのための同僚や上司の連絡先(2名)
- 守秘義務遵守の誓約書
- パスポート全ページのスキャン
- ビザに使うための写真
- イミグレーション提出用の最新の履歴書
- 大学の成績及び卒業証明書
これらを全て読み込み、必要に応じて印刷、サイン、スキャンする必要があります。
バックグラウンドチェックのために昔の同僚に連絡取ったりね…。
量が量なのでめちゃくちゃダルく、私はこの作業をかなり後回しにしてしまいました。
後に死ぬほど後悔するとも知らずに…。
11月6日 ビザキャンセルのためにパスポートをMDEC に預ける
MDEC から派遣されたスタッフが職場までパスポートを回収に来てくれました。
それから2週間以上パスポートと離れ離れにされるとはこの時は夢にも思わなかったなぁ…。(普通3~4日くらいで戻ってくる)
11月11日 やっとパスポート以外の書類を提出するも怪しい雲行き…
この日と翌日は有給消化でお休み。
週末に会った友人から、私のビザ切れの日である15日以降の滞在不可についてもう1度転職先に聞いてみた方が良いと言われたので午前中にメールで確認しました。
「私ビザ切れの15日以降マレーシアに居ても大丈夫ですよね?」
「現職の会社からリリースレター頂いてるので大丈夫です!」
良かった〜とひと安心し、夕方ごろやっとパスポートを除く全ての書類にサインをして転職先に送付。
ついでに昼の間、友人から「ビザ、なんか怪しいからもっかい聞いた方が良いよ。スペシャルパスの話とかも出てないみたいだし」と言われたので再度確認することに。
「あの、何回もすみませんが15日以降のビザって本当に大丈夫なんですよね?来週台湾行くのですが出国手続きのときオーバーステイで逮捕されたりしませんか?」
「書類の提出がかなり遅れたので、15日までに手続き完了できなかったら出国の必要があるかもしれないです。」
(ファ?!そうなん!?)
そもそも1週間も寝かせた私が2億パーセント悪いのですが、昼間は大丈夫って言ってたからかなり狼狽えましたw
(残りはパスポートの全ページスキャンだけだし、きっと今日あたりHRが私のパスポートを職場で受け取ってくれてるはずだから明日聞いてみよう…)
11月12日 パスポートのデータも送ってひとまず安心?
朝、HRに「私のパスポートって昨日受け取ってくれた…?」と聞いてみたところ、なんと「受け取ってない。さすがに遅すぎるからMDECに聞いてみる」とのこと。
そしてHRがMDECに確認してくれたところによると、「以前YOKOが転職先からもらって私(HR)がMDECに提出したレターがMDECの求めるものではなかったのでキャンセル手続きが進んでおらず、パスポートを返却出来ないらしい」と言うではないですか!
こちらのレターは本来、新しい雇用主による「新しい従業員のビザの申請を始めました」という内容が必要らしいのですが、私が転職先からもらって提出したものがそれに該当しなかったとか。
まあ間違えたのは悪かったけどさ…書類間違ってたなら教えてくれよMDEC!泣
こっちが聞くまで1週間も放置ってひどくないですか?><
「でも転職先にパスポートのスキャンデータ出さなきゃ次のビザの手続きが進められないんだよぅ…泣」
(そしたら15日仕事終わりにマレーシア出国しなくちゃだから面倒すぎる…)
「え!?パスポート回収の前にスキャンしてなかったの!?」
「うぅ…面倒だったしあんまり時間なかったし…泣」
それからHRが再度MDECに問い合わせてくれて、「処理が終わってないから返却はできないけど、スキャンを取るために一時的にMDECからパスポートを持ち出して良い」ことになりました。
トチ狂って30キロ離れた全然違う場所に向かったりしつつもMDECでパスポートを回収し、近所の文房具屋で全ページのスキャンを撮って転職先に送付。
が、最終確認の段階で転職先の方と元職場の間で板挟みになってしまいました…。
「今の会社のビザって、オンラインでのキャンセルは済んでますか?」
「わかんないです…。HR、どうなんだい?」
「やってないよ。例のレターがないとキャンセル手続き出来ないんだってば。」
「やってないそうです!
前にお願いしてた”申請始めてますレター”が無いとキャンセル出来ないって言ってます。」
「そもそも現職のオンラインでのキャンセルが出来てないと申請がスタートできないのですが…。」
「”申請始めてますレター”が先に必要」というHRと「オンラインでのキャンセルがまず必要」という転職先で意見が真っ向から対立してしまった形です…。
私と転職先の窓口担当さんの2人で話し合った結果「とりあえず申請しちゃおっか☆」ということになり、その後すぐにオンラインで新しいビザの申請を始めたとの報告がありました。
11月13日 新しいビザの申請が受理された!
夕方に転職先の方から「新しいビザの申請が受理された」との報告がありました!
ビザの申請中は現職のビザが切れていても違法滞在には当たらないとのことで、15日を過ぎてもマレーシアを出国する必要がなくなった形になります。
よ、良かった~!!
ただ、HRと転職先でまたも意見が対立している部分があり依然として油断できない状況…。
「ビザのキャンセルは依然として進んでいないので、その原因となってる例のレターを転職先からさっさともらってね。
明日の昼までに入手できないとビザのキャンセル出来ないからね。」
「え!ビザのキャンセル出来ないってなんかヤバそう!
すみません明日の昼までに例のレターってもらえそうですか?」
「ビザ担当の者に確認しますね。ただ、今の会社のビザって期日が過ぎたら勝手に切れるから無理にキャンセルする必要ない気もしますが…。
新規ビザ申請中の人は15日以降滞在しても違法じゃないですし。
それ伝えてもらえます?」
「確かにそんな気もする!HRよ、どうなんだい?」
「キャンセルは絶対せなアカン。とにかくレターもらって。」
と、こんな感じで「ビザのキャンセルが絶対必要」派のHRと「別にいらんやろ」派の転職先とでまたも主張が正反対に。
心配だ…。
11月14日 広がっていく不安
朝、転職先の方から「例のレターは来週にならないと用意できない」と連絡がありました。
そしてそれをHRに伝えたところ、またもMDECに問い合わせをしてくれた様子。
そして彼女は衝撃的なお知らせを投下してくれました。
「あのね、MDECに聞いたら、転職先のアンタのビザの手続き何も進んでないってよ。」
??何を言っているんだ????
「…??いやでも、昨日申請が受理されたって聞いたよ…?」
「とりあえずもうビザ切れ前日になっちゃって手続き間に合わないからキャンセルはしないから。
MDECにもビザキャンセルは中止って伝えてあるからパスポートは明日回収できるよ。
明日の朝直接パスポート回収してきなね。」
もう脳内は混乱を極めました。すぐに転職先に連絡します。
「ああああのあのあの、パスポートは明日返してもらえそうなんですが、うちのHRが変なこと言ってます汗」
「申請はちゃんと進んでるから大丈夫です。
明日は手続きのために回収したパスポート持って弊社まで来てくださいね。
また私は明日1日不在なので、パスポートはビザ担当のAに渡してください。
旅行でパスポート使う日とかについても彼女に明日直接言ってもらえればと思います。」
またもや「お前のビザ申請全然進んでないらしいよ」というHRと「ちゃんと進んでますよ」という転職先で言ってることが違う…。
でも転職先の方はパスポート回収後のことまで教えてくれてるし大丈夫だろう!と楽観的に考えてこの日は終わりました。
11月15日 ビザ切れ当日。状況はついに修羅場に。
さっそく朝一番で「パスポート返してやー!」とMDECに突撃した私ですが、職員からの返答は「まだ手続きの途中だから返却はできない」というものでした。
HRよ…昨日「明朝に受け取れる」って言ってたのに何故…。ここでも矛盾です…。
すぐさまHRに知らせ、MDECの担当者に電話してもらいました。
その結果、HRからは「転職先のビザ担当とMDECの職員で話合わせろ」との返答。
急いで転職先に電話したのですが、ビザ担当のAさんはミーティングで電話に出られないとのことで、やっと電話がつながったのが11時。
そしてAさんとMDEC職員との入れ違いなんかもあってけっこう時間がかかったのですが、何とか両者で話し合ったようで昼過ぎに電話をくれました。
この時点でMDECは昼休憩に入っていたので、私も自宅に帰りながらの通話です。
「MDECの職員と話し合いました。
パスポートは月曜日に回収できるので、月曜日に回収したパスポートを持って弊社まで来てください。」
「わかりました。
ちなみに御社に預けたパスポートってすぐ帰ってきます?来週末台湾行くのに使うので…。」
「…?ビザ申請中はマレーシア国外からは出られないですよ?」
…え?
台湾のことは過去何回か窓口担当の方に相談してましたが、そんな話1回も聞いてない…。
ビザの手続きとかに慣れしてる人からしたら常識なのかもしれないですが、少なくとも私は知りませんでした。
今回の台湾旅行はマジで1年位前からずっと楽しみにしていたイベントです。
日付が決まっているイベントなので「日を改めてまた行けば良い」と割り切れる類のモノでもありません。
呆然としているといつのまにかAさんとの通話は終わっており、我に返ってすぐさま窓口担当さんに連絡。
この時の私はもうここ数日続いてる皆が違うこと言ってるパニックや、長いこと楽しみにしてた台湾旅行が消えそうになってることでかなり取り乱してましたw
「今ほどAさんに連絡したところ、ビザ申請中は台湾行けないって言われました…。
本当に申し訳ないのですが台湾行けないなら御社と契約できないです。解除させてください。」
「わかりました…。
こちらももう手続き進めてしまってますし、こういったパターンは前例がないのでビザチームに確認させてください。」
終わった…とそう思いました。
これからどうなるんだろう…転職先と言う後ろ盾を失った今、今日中にマレーシアを出国しなければいけませんがパスポートは依然としてMDECの手中にあります。
今この瞬間からニートか…。ウェブデザインのバイトだけで生活できるかな…。
そんなことを取りとめもなく考えていると、窓口担当の方からまた電話が鳴りました。
「今ビザ担当の者に確認しました!台湾行ける方法があるそうです!」
「な、なんだってーッ!」
「その方向で手続き進めます!
台湾行きのチケットの画像を送ってください。」
もはや何が起きてるのか理解が追い付かないのですが、転職先がものすごい頑張ってくれてるのを感じました…ありがてえ…。
これでやっと職場に行けるぞとGrabを呼びかけたのですが、何となく不安でもう1度MDECに行ってみることに。
でも自分でも何をしに来たのかよく分かっておらず、「やっぱり帰ろうかな…」と窓口の前でウロチョロしていると職員が「今からあんたの転職先の人間が来るからその人に会いなさい」と言ってきました。(最近通い詰めてるから顔を覚えられてる)
そんな話全然聞いて無かったですし、別の用事でたまたま転職先の人が来るのをこの職員が勘違いしてるんじゃないかな…とかなり疑いつつ一応待機してみます。
そして20分ほど待っていると、本当に転職先のビザ担当Bさんが現れました。
何故か私の申請書類を持っており、私にサインをするよう促すBさん。
「OK。台湾行くのは来週末で合ってるよね?
これで申請出すから来週月曜か火曜にはパスポート帰ってくるよ。」
Bさんは私が先ほど窓口担当の方に送った台湾行きのチケット画像をプリントアウトした紙も持ってましたし、Bさん直々に窓口で手続きするなら安心できる気がします。
この時点で16時回ってましたが、私はやっと職場に向かうことが出来ました。
朝パスポート受け取れなかったときはかなり混乱しましたが、だからこそビザ担当のAさんと連絡を取って「通常ビザ申請中は国外に出られない」という真実を知り、別の方法を提案して頂けるきっかけになったのだから結果的に良い日だったのかな。死ぬほど疲れたけど。
それと私が夕方MDECに居たのは気まぐれに近い、かなり偶発的な出来事だったのですが、なぜBさんは私にサインさせる用の書類を持っていたんだろう…。
色々謎でしたが、もう考えるのをやめましたw
まとめ
長々とウダウダとことの顛末を書いてきましたが、今回のお話で私が1番言いたいことは「書類は早く出せバカ」ってことです。
たしかに面倒です。数が多いし日本みたいに気軽にコンビニでプリンターやスキャナーが見つかるわけじゃない。
でも私が書類を1週間も寝かせなければ、すぐに提出できていれば、双方の矛盾にも落ち着いて対処できたはずなんです。
てか私の書類提出が遅れなければ転職先と元職場それぞれの処理ももっと前倒しになって、スムーズに諸々が進んだ気がしてなりません。
あと台湾の件ももっと強く窓口担当の方に念押ししておくべきでした。
転職先と元職場にめちゃくちゃ謝りたい。ごめんなさいごめんなさいマジで。
そしてありがとうございます。本当に。
また、今回は窓口担当の方以外登場人物全員マレーシア人だったのですが、意思の疎通にめちゃくちゃ苦労しました…。
ただ、電話で目当ての人を呼んでもらうとか、なんとか助けを求めるとかいう程度の英語力はネイティブキャンプで身に付いたかなと思っています。
英語不安マンはこういうときに痛い目を見るので、是非普段から学んでおくことをお勧めします!
ネイティブキャンプについてもっと詳しく!
週を跨ぎ、無事にパスポートを奪還することはできるのか!?
悲願の台湾旅行は本当に行けるのか!?
後半に続きます。笑
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